2024シーズン、アルビレックス新潟の副キャプテンに就任し、中心選手としてチームを牽引する役割を期待されていた新井直人。アルビレックス新潟サポーターに衝撃が走ったのは、2024年3月21日のこと。シーズン開幕早々、サンフレッチェ広島への電撃加入が発表されたのである。
開幕早々の副キャプテンの移籍に憤ったアルビレックス新潟ファンからの強い誹謗中傷がネット上で沸き起こるも、迎えた3月30日のデビュー戦でG大阪相手に強烈なミドルシュートを叩き込み、鮮烈なデビューを果たした新井選手。
覚悟を持った移籍であることを証明する一撃となった。
本記事ではそんな新井直人のプレースタイルなどを紹介していく。
Contents
新井直人のポジション
新井直人は、右サイドバック、左サイドバック、センターバックを務めることが可能な選手。
過去に所属したアルビレックス新潟、徳島ヴォルティスでは主に左右のサイドバックのポジションで活躍してきた。
サンフレッチェ広島のデビュー戦では、右ウイングバックとして出場している。今後は、サンフレッチェ広島でウイングバックとしての出場機会が増える可能性もあるだろう。
新井直人のプレースタイル
対人能力の強さ、ボール奪取能力
攻撃的な特徴がクローズアップされがちな新井選手であるが、実は守備の能力もとても高い。特に、対人能力がとても高く、ボール奪取能力に長けた選手。
身長は173cmと小柄だが力強く激しい守備で、自身より大柄な選手を相手にしても負けないどころか、弾き飛ばしてしまうほどの強さを持っているのがこの選手の強み。
また、冴えわたる鋭い予測、素早い出足を活かして、一瞬でボールを奪い去るプレーも得意としている。常に頭をフル回転させながら、ボール奪取のチャンスと見るやいなや相手の前でボールをかっさらう姿はまさに爽快。
その守備の強さを活かして、センターバックとしてプレーすることも可能。
攻撃で違いを生み出せる現代的SB
新井直人は攻撃的な特徴を強みとしており、攻守で違いを生み出せる、現代的SBの系譜を受け継ぐ選手である。
サイドに張るプレー、中に絞り中盤の位置で偽サイドバックとしてのプレー、様々な位置から攻撃に顔を出せる選手。
特に、中に絞っての偽サイドバックのプレーは新井選手の一番の特徴で、日本代表SBの毎熊選手を彷彿とさせる積極的な攻撃参加を1試合通じて見せ、ドリブルで自陣から持ち運んでシュート、サイドの突破からクロス、前線の選手へのスルーパス、裏抜けからのシュート、DFとは思えないほど攻撃のセンスに溢れる選手だ。
↓新井直人選手の攻撃参加からの豪快なゴール
ビルドアップ能力がとても高い
ビルドアップ能力が非常に高く、後方からボールを前進させる潤滑油のような役割をこなす。
左右両足から正確なパスを出すことができる。サイドバックの位置でボールを受けて、ドリブルでボールを横に前に運びながらパスコースを作り出し、効果的な縦パスをスパッと差し込む。
この選手は、パスコースを作り出す能力が極めて高く、存在しないパスコースをボールを持ち運ぶことで作り出すことができる。
さらに凄いのが、持ち出しながら常に顔が上がっており、チャンスと見るや味方選手の動き出しを見逃さず、すぐに左右両足から正確なパスを供給して見せるのだ。
下の動画では、新井直人のビルドアップ能力の高さが詰まったプレーを見ることができる。
トーマス・デンからボールを受けた背番号2の新井は、相手のプレスをものともせずドリブルでかわし、前方の味方へパスを出した。そこから左サイドに大きな展開からゴールに迫った。この新潟の攻撃の起点となったのは間違いなく彼である。
左右両足から放たれる正確無比な高精度クロス
彼は、左右両足から放たれる高精度クロスで、チャンスを演出することができる選手だ。
サイドのスペースに走り込み裏抜けからのクロス、サイドでボールを受けて縦突破からクロス、中に切り込みクロスなど、クロスに至るパターンが多彩だ。
また、クロスボールの球種も多彩で、地を這うようなグラウンダークロス、滞空時間の長いふわりとしたクロス、カーブをかけてGKとDFの間にストンと落とすクロス。実に多彩な球種を使い分ける選手で、まさにクロス職人と呼べるだろう。
↓新井直人のクロスからのゴール演出シーン
新井直人のプロフィール
東京都世田谷区出身、1996年10月7日生まれの27歳。身長は173cm、体重73kg。
新潟経営大学在時、北信越大学選抜に選出されている。新潟経営大学に進学した理由について、一年生の時から試合に出られる環境を重視したため語っている。
アルビレックス新潟に加入するまでの彼は無名の選手で、練習生からアルビレックス新潟との契約を勝ち取った苦労人である。
本人の話によると、J3のクラブから内定をもらっていたようだが、上を目指したいという理由で決断できずに母校の練習に参加しながらJ2以上のクラブからのオファーを待った。
実際、アルビレックス新潟と契約したのは2019年2月と極めて遅い時期で、ぎりぎりアルビレックス新潟に拾ってもらった結果になった。
名前 | 新井 直人 (あらい なおと) |
生年月日 | 1996年10月7日 (27歳) |
国籍 | 日本 |
出身地 | 東京都世田谷区 |
出身大学 | 新潟経営大学 |
身長 | 173cm |
体重 | 73kg |
ポジション | DF |
利き足 | 右 |
主なタイトルなど | 北信越大学選抜 (2017年) |
これまでの所属クラブ
年度 | 所属クラブ | 出場数 | ゴール/アシスト |
2019 | 新潟 (J2) | 32 | 1G / 2A |
2020 | 新潟 (J2) | 25 | 0G / 0A |
2021 | C大阪 (J1) | 6 | 0G / 0A |
2022 | 徳島 (J2) | 38 | 2G / 0A |
2023 | 新潟 (J1) | 24 | 3G / 0A |
2024 | 新潟 (J1) | 3 | 1G / 0A |
2024 | 広島 (J1) | 1 | 1G / 0A |
新潟への愛と、覚悟の広島移籍
新井直人は、アルビレックス新潟への愛がとても強い選手だ。
2024年、開幕直後にサンフレッチェ広島への電撃移籍が発表された際、溢れる涙をぬぐいながら取材陣のインタビューに答えていたシーンは帆異常に印象的だった。彼の新潟への愛がだれの目にも明らかになった。
移籍に際して、下記のようなコメントを残している。「愛する新潟でもっと闘いたい!」という正直な思いと、「新たな挑戦をしたい」という狭間で葛藤していたことがよく伝わる。
再びこの街に、このクラブに戻って来て、いつも熱い応援をしてくださるファン・サポーターの皆さんの気持ちを想うと、このタイミングでクラブを離れる決断をすることに言葉にはならない難しさがあります。今もそうです。
「このクラブと共に成長できる」「ここにいる選手たちとプレーしていきたい」「タイトル獲得というまだ見ぬ景色を」という気持ちも本当にありました。それ以上に、まだまだここには書ききれない事がたくさんあります。
自分自身の短いサッカー人生の中で何を求めているのか。何を目指そうとしているのか。どうなっていきたいのか。これからもキャリアを重ねていくその葛藤の中で、オファーが届き悩みました。
寺川強化部長をはじめとするクラブの方々とも話し合い、その気持ちにも応えたいと思いました。
ですが、このタイミングでチームを離れる決断をしました。アルビレックス新潟を応援してくださるすべての皆さまの前で、新潟の街で、ビッグスワンで再びプレーすることができて本当に幸せでした。
アルビレックス新潟 オフィシャルウェブサイト
また皆さんにお会いできることを心から願っています。
本当にありがとうございました。
そんな覚悟をもって移籍した新井直人、3月30日のデビュー戦では早速左足での強烈なミドルシュートでゴールを叩き込み、鮮烈なデビューを飾った。
力強い気持ちのこもったシュートで、迷わず降りぬいた姿からも強い覚悟を感じ取ることができた。
愛するアルビレックス新潟を離れ、新たな挑戦を求めてやってきたサンフレッチェ広島で、殻が今後どのようなプレーを見せるのか注目していきたい。
まとめ
新井直人はまだ27歳とこれからキャリアの全盛期を迎える選手である。今年からは国内有数の強豪であるサンフレッチェ広島に完全移籍加入し、どのようなプレーを見せてくれるのか期待が集まる。
最後にここまで読んでいただきありがとうございました。良ければ他の記事も読んでみてください。