2020年、当時徳島ヴォルティスに所属していた渡井理己は、背番号10を背負い、チームの絶対的主軸として6G4Aの活躍を見せて、徳島ヴォルティスを史上初のJ2優勝に導いた。また、2022年7月からはポルトガル1部のボアヴィスタFCに期限付き移籍で加入し、遂に欧州に活躍の場を求めた。そんな渡井理己のプレースタイルや、プロフィール、これまでの経歴や成績を紹介していく。
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プロフィール
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名前 渡井 理己 (わたい まさき) 生年月日 1999年7月18日(24歳) 国籍 日本🗾 出身地 静岡県富士宮市 身長 168cm 体重 64kg ポジション MF 利き足 右 個人タイトル ✔U-16日本代表
✔U-17日本代表
✔U-18日本代表
✔高校総体 優秀選手 (2016、2017年)
✔J2優勝 (2020年)
経歴
Embed from Getty Images小中高校時代→渡井は静岡県富士宮市で生まれた。小学生の時は地元クラブに所属しサッカーの練習に励んだ。そして自身の強みであるドリブルやパス回しの技術を磨くため中学からは街クラブのリベルダージFCに所属し、高校では全国屈指の強豪校である静岡学園高等学校に進学する。U世代の日本代表に世代屈指のテクニシャンとして名を馳せ、高校3年生の9月に2018年からの徳島ヴォルティスへの加入が決まる。
徳島ヴォルティス1年目→徳島ヴォルティスでは、加入1年目は出場機会を得ることができず、天皇杯で1試合に出場のみだった。
徳島ヴォルティス2年目→加入2年目となる2019年、レギュラーに定着すると、29試合に出場して、6得点4アシストを記録した。この年の徳島ヴォルティスはJ1昇格プレーオフの決勝に進出してJ1昇格まであと一歩のところまで迫り、渡井はチームの攻撃にアクセントを加える役割として当時の監督であるリカルドロドリゲスから重宝された。
徳島ヴォルティス3年目→2020年、徳島ヴォルティス加入後3シーズン目、前年の活躍への評価とチームにおける期待値の高さの表れとして、背番号10を背負うことが決定した。西谷和希、垣田ゆうき、杉森考起らと強力な攻撃陣を形成し、徳島ヴォルティスを史上初のJ2優勝に導く圧倒的な活躍を見せた。渡井自身も前年と同様にキャリアハイとなる6得点4アシストを記録し、シーズンオフにはJ1クラブからのオファーも噂された。
徳島ヴォルティス4年目→2021年、渡井にとって初のJ1の舞台への挑戦。前任のリカルド監督と同様スペイン人でボール保持を志向する新監督ダニエル・ポヤトス監督のもと、27試合に出場して1得点1アシストを記録した。渡井の本来の実力を存分に発揮できたとは言い難いJ1挑戦となった。また、最終節のサンフレッチェ広島戦に敗れ、徳島ヴォルティスのJ2降格が決定した。
徳島ヴォルティス5年目→2022年、J2降格の影響で多くの主力がJ1クラブに移籍する徳島ヴォルティスだが、渡井理己はクラブとの契約更新を発表した。契約更新のコメントでは、一年でのJ1復帰をサポーターに約束した。しかし開幕すると、渡井の持ち味であるゴールに絡むプレーは影を潜め、19試合に出場して1得点1アシストを記録するに留まった。
徳島ヴォルティス6年目 / ボアヴィスタFC1年目→2022年7月、シーズン途中に、2023年6月30日までのおよそ1年の期間、ポルトガル1部リーグ所属のボアヴィスタFCへの期限付き移籍が発表された。10月30日のFCヴィゼラ戦、スタメン出場した渡井は、遂にポルトガル移籍後初ゴールを決めた。シーズン途中での加入ながら、最終的にリーグ戦15試合に出場。
ボアヴィスタFC2年目→2023年7月8日、同クラブにて2024年6月30日までレンタル期間を延長することが公式発表された。同クラブにて2年目となるシーズンで飛躍を誓う渡井だが、ここまで11試合に出場して0得点0アシストとゴールに絡むプレーを見せることが出来ず、かなり苦しんでいる。渡井のレンタル期間は今年の6月30日で満了となるが、その後、Jリーグの徳島ヴォルティスに復帰となるのか、海外での挑戦を続けるのか、多くのファンから注目が集まっている。
成績
年度 | 所属クラブ | 出場数 | ゴール/アシスト |
---|---|---|---|
2018 | 徳島 (J2) | 0 | ⚽0G / 0A |
2019 | 徳島 (J2) | 29 | ⚽6G / 4A |
2020 | 徳島 (J2) | 38 | ⚽6G / 4A |
2021 | 徳島 (J1) | 27 | ⚽1G / 1A |
2022 | 徳島 (J2) | 19 | ⚽1G / 1A |
2022-2023 | ボアヴィスタ (ポルトガル1部) | 15 | ⚽1G / 1A |
2023-2024 | ボアヴィスタ (ポルトガル1部) | 11 | ⚽0G /0A |
※出場数はリーグ戦のみ
プレースタイル
独特なリズムのドリブル
渡井理己の特徴はやはり、独特なリズムで相手の重心の逆を突く"ドリブル"。
Embed from Getty Images特別スピードがあるタイプでもなければ、ネイマールのように華やかな足技で相手を抜き去るタイプでもない。系統的にはメッシと同タイプに分類され、ボディフェイクからの重心移動で相手を抜くドリブルを得意とする。
渡井のドリブルの凄さを知ってもらうためにも、下記の動画を見てほしい。2020年J2第10節 V・ファーレン長崎戦で見せた自陣からの長距離ドリブルで独力でゴールを決めたシーンだ。
自陣ハーフウェイライン付近でボールを拾った渡井は、そのままドリブルを開始すると、長崎MFカイオ・セザールにスピードで追いつかれるも、細かなステップから重心の逆を突くドリブルでかわし、そのままゴールを決めてみせた。
↓渡井理己のドリブル動画
ドリブルを適切なタイミングで使うインテリジェンス
渡井理己はドリブルを最大の武器とする選手だが、ドリブルばかりに固執することがなく。常にその場の状況に応じた最善のプレーを選択するインテリジェンスを持つ。ドリブルよりもパスやシュートの方が効果的な場面では、迷わずそちらを選択する。
さらに、パスやシュートの選択肢があることを相手に見せることにより、相手選手は複数の選択肢を持つ渡井のプレーの予測が難しくなり、渡井のドリブルがより効果を発揮する。また、その逆も然りだ。
2021年の清水エスパルス戦で決めたゴールはまさにそうだった。PA付近中央で岩尾憲からボールを受けた渡井は、ボールを少し浮かせてトラップすると、迷うことなく足を振り抜き、元日本代表GKの権田修一を相手に強烈なミドルシュートを突き刺した。
↓そのゴールシーン
このシーン、清水エスパルスのDFは渡井がボールを受けた際、パス、ドリブル、シュートのうち何をしてくるのか予測が出来ず、渡井に対する寄せが甘くなっていた。その隙をついた渡井は右足一線でミドルを突き刺したのだ。
精度の高いラストパス
渡井理己の強みは、その右足から供給される精度の高いラストパスである。相手の守備ブロックの綻びを見逃さず、一撃必殺の高精度なラストパスを通す。
↓徳島時代の渡井が見せた精度の高いスルーパス
また、サイドに流れてボールを受けると、相手DFがしっかりとセットして守っている状態であろうがお構いなく、味方FWへのピンポイントなクロスでゴールをアシストすることが可能。
↓サイドに流れてクロスからアシスト
他にも、元スペイン代表イニエスタのように、得意のドリブルで相手選手を2人3人の視線を惹きつけ、その隙にフリーのFWにラストパスを供給する。
得点能力の高さ
パスやドリブルだけでなく、得点能力も非常に高い選手。ゴールへの嗅覚が非常に鋭い選手で、チャンスになりそうなシーンでは必ずゴール前に顔を出す。相手選手の視線から隠れるように巧みに動き出し、スルスルとゴール前に侵入すると、味方選手からのパスに素早く反応してゴールを決める。
↓渡井理己のゴール前に顔を出してゴールしたシーン
他にも、相手ブロックの間でボールを受けて、ドリブルを開始すると、寄せてくる相手DFのマークを交わし、狙い澄ました高精度のシュートを突き刺す。
おまけ情報
社会慈善事業への関心が強い
渡井理己は、社会慈善事業への関心が強く、メディアプラットフォームnoteに記事を投稿し、そこで得た収益は徳島県の子供達の未来への投資や徳島県の産業発展のために寄付している。
彼女は?結婚してる?
渡井理己は彼女がいるかどうかを公表しておらず、不明。ただ、渡井の投稿したnoteにて過去に片手で数えられるほどの交際歴があることを明かしている。結婚はしておらず未婚。
まとめ
攻撃的MFとして相手の逆を突くドリブルや得点能力、絶妙なスルーパスを武器にここまでJリーグで多くのインパクトを残してきたMF渡井理己。その活躍が認められて、2022年からはポルトガル1部に新たに活躍の場を求め、ここまで苦戦しているものの能力に疑いの余地はなく、今後の動向から目が離せない日本人選手の一人である。